2012年12月25日

作業経過

こんにちは。
今年も残すところあと僅かとなりましたね。
皆様、体調に気をつけて、よいお正月をお迎え下さい。


花火
土曜日の作品が一つ、保存修復が完了したのでご報告します。
bevaを染込ませた後、アイロンを使用して裏面から絵具層の固着強化を行いました。
絵具層の凹凸がある作品のため、絵具層がつぶれないように用心して行いました。
次にbevafilmを使用してstripliningを施し、元の木枠に張り戻しました。
絵具層が脆いため、表打ちをしたまま張り戻しました。
その後、表打ちを除去し、細かい和紙や残った接着剤もきれいにクリーニングしました。
一部絵具層が取れてしまったため、剥離止めを行い、保存作業が終了しました。
DSCN7222.JPG
DSCN7225.JPG


横向きの裸婦
この絵のキャンバスは状態調査の時にある程度の強度が見られたため裏打ちではなくstripliningを行うと決定していました。
まずはstriplining用のキャンバスを用意します。今回はあまり厚みが無く、かつ強度があるポリエステルを使用しました。このポリエステルのキャンバスを帯状に切ります。縦は絵のサイズに、横は絵のみみの幅+木枠に張り込む為に必要な長さに合わせます。
接着剤にはplexitolという合成樹脂を使用しました。今回はこれを使う前に泡立ててクリーム状にし、キャンバスに染込みすぎるのを予防します。そしてキャンバスに塗布する際も均一にするため、網を使ったりスパトラを使ったりと4種類の方法を今回は試してみました。
DSCN7240.jpg ブログ①

塗布したあとはすぐにstriplining用のキャンバスを貼り、スパトラで布を密着させてから低温のアイロンで軽く湿気を取り、重しを置いて一日以上放置します。
DSCN7244.jpg ブログ②

後日Stripliningがきちんと接着しているのを確認したら、作品の表打ちを除去します。今回は膠での表打ちだったので水で湿らせながら和紙を除去しました。この時画面上に膠が残らないよう画面のクリーニングも行います。
表打ちを剥がす際、stripliningの接着部分からはみ出して固まったplexitolが見られたため、ビストリで除去しました。
また今回は、時間があったためオリジナルの木枠の古い釘穴にエポキシの接着剤を充填しふさぎました。
そして作品を木枠に張り込み、裏面処理をして完成です。


裸婦
こちらはクリーニングが終了したので作品を木枠から外し、軽く裏面掃除した後、折れ曲がっていたみみをアイロンで伸ばして木のパネルに仮止めしました。
次に絵画層がこれからの作業中に剥落しないようにplexisolで表打ちを行います。
その後キャンバスが裂けていた部分にパッチ当てをして、画面の変形修正をしました。
DSCN7233.jpg blog1

そしてこの後の裏打ちの為にキャンバスを選びました。この時目の数や厚さなど、なるべくオリジナルのキャンバスに近いものを選びます。決定したら仮の木枠にきつめに張り込み、お湯をかけて乾かします。この作業はsfibramentoといい、後の作業中に水分が加わる事でキャンバスが動くのを防ぐことが目的です。このsfibramentoは2回行います。
作品の裏面は金ブラシとビストリで掃除をしました。
DSCN7307.jpg blog2
posted by スタッフA at 10:58| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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