2013年06月01日

久しぶりの更新です

みなさま

いかがお過ごしですか?
久しぶりの更新となり、申し訳ございません。
すっかり年も明けて2013年ももうすぐ半年が過ぎますね。。

おさらいも含めて、今日までの流れをまとめて報告します。

<土曜日クラス>
■Cグループ「湖畔の白樺」(仮題)
この作品は、かなり絵具層もキャンバスも脆い作品でした。
最初に膠で剥離止めを行いながら、同時にクリーニングできるところは行っていきました。
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表打ちは、作品を木枠から外す前に生麩糊で行いました。
DSCN7431.jpg blog1
元々定着の弱い作品のため、木枠から作品を外したとき、少し絵具層の浮き上がりが見られました。
DSCN7457-c19e9.jpg blog1
キャンバスに穴が見られたので、パッチ当てを行ったあと、キャンバスの変形修正を行いました。
その際、張りが一部弱かったため、後日部分的にやり直しました。
裏面掃除は金ブラシとビストリを使って行いましたが、かなりキャンバスが弱っていたため、埃を取ると、キャンバスが透けていました。さらに養生のため、必要な箇所にはパッチ当てを施しました。
DSCN7462.jpg blog1
絵具層の接着強化のための合成樹脂は、plexisolを染み込ませました。
刷毛で接着剤を染み込ませた後、表の状態を確認したら、かなり接着剤が滲み出していました。
また、汚れも溜まっていた状態でした。
裏打ち用の布は、ポリエステルを使用しました。(予め木枠に張って)
アイロンで絵具層の固着をした後、plexitolを作品裏面と裏打ち布に塗布し、貼り合わせ、重しを乗せて裏打ちを行いました。
DSCN7702.JPG
後日確認すると、かなり裏面からplexitolが滲み出していたため、木枠に張り込む前にlooseliningを行い、元の木枠に作品を張り戻しました。
表打ちの除去は作品を張り込んだ後に行いました。理由は、張り込みの際に絵具層が動かないようにするためです。
表打ちはお湯と部分的にミネラルスピリットを使用して除去しました。
部分的に絵具層が取れてしまうところもありましたが、全体的には定着力が増しました。
取れてしまった箇所は、膠で接着しました。
全体的に汚れが目立ったため、キシレンをパッピーナに含ませてクリーニングを行いました。
かなりきれいになりました。
DSCN8537.jpg blog1

長くなりましたので、日曜クラスについてはまた後日報告します。
posted by スタッフA at 18:03| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2012年12月25日

作業経過

こんにちは。
今年も残すところあと僅かとなりましたね。
皆様、体調に気をつけて、よいお正月をお迎え下さい。


花火
土曜日の作品が一つ、保存修復が完了したのでご報告します。
bevaを染込ませた後、アイロンを使用して裏面から絵具層の固着強化を行いました。
絵具層の凹凸がある作品のため、絵具層がつぶれないように用心して行いました。
次にbevafilmを使用してstripliningを施し、元の木枠に張り戻しました。
絵具層が脆いため、表打ちをしたまま張り戻しました。
その後、表打ちを除去し、細かい和紙や残った接着剤もきれいにクリーニングしました。
一部絵具層が取れてしまったため、剥離止めを行い、保存作業が終了しました。
DSCN7222.JPG
DSCN7225.JPG


横向きの裸婦
この絵のキャンバスは状態調査の時にある程度の強度が見られたため裏打ちではなくstripliningを行うと決定していました。
まずはstriplining用のキャンバスを用意します。今回はあまり厚みが無く、かつ強度があるポリエステルを使用しました。このポリエステルのキャンバスを帯状に切ります。縦は絵のサイズに、横は絵のみみの幅+木枠に張り込む為に必要な長さに合わせます。
接着剤にはplexitolという合成樹脂を使用しました。今回はこれを使う前に泡立ててクリーム状にし、キャンバスに染込みすぎるのを予防します。そしてキャンバスに塗布する際も均一にするため、網を使ったりスパトラを使ったりと4種類の方法を今回は試してみました。
DSCN7240.jpg ブログ①

塗布したあとはすぐにstriplining用のキャンバスを貼り、スパトラで布を密着させてから低温のアイロンで軽く湿気を取り、重しを置いて一日以上放置します。
DSCN7244.jpg ブログ②

後日Stripliningがきちんと接着しているのを確認したら、作品の表打ちを除去します。今回は膠での表打ちだったので水で湿らせながら和紙を除去しました。この時画面上に膠が残らないよう画面のクリーニングも行います。
表打ちを剥がす際、stripliningの接着部分からはみ出して固まったplexitolが見られたため、ビストリで除去しました。
また今回は、時間があったためオリジナルの木枠の古い釘穴にエポキシの接着剤を充填しふさぎました。
そして作品を木枠に張り込み、裏面処理をして完成です。


裸婦
こちらはクリーニングが終了したので作品を木枠から外し、軽く裏面掃除した後、折れ曲がっていたみみをアイロンで伸ばして木のパネルに仮止めしました。
次に絵画層がこれからの作業中に剥落しないようにplexisolで表打ちを行います。
その後キャンバスが裂けていた部分にパッチ当てをして、画面の変形修正をしました。
DSCN7233.jpg blog1

そしてこの後の裏打ちの為にキャンバスを選びました。この時目の数や厚さなど、なるべくオリジナルのキャンバスに近いものを選びます。決定したら仮の木枠にきつめに張り込み、お湯をかけて乾かします。この作業はsfibramentoといい、後の作業中に水分が加わる事でキャンバスが動くのを防ぐことが目的です。このsfibramentoは2回行います。
作品の裏面は金ブラシとビストリで掃除をしました。
DSCN7307.jpg blog2
posted by スタッフA at 10:58| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする

2012年11月19日

作業経過

皆さんこんにちは。
今回は10月から作業がスタートした作品の途中経過をご報告します。

■ 土曜日Bチーム「花火」
まず画面の汚れをクリーニングしました。弱っている絵具層に負担をかけないように柔らかい刷毛で画面を湿らせて汚れを浮かせ、紙に吸い取らせました。次に絵具層を保護するために合成樹脂の接着剤(plexisol)で薄い和紙を画面に貼り付けました(表打ち)。油分が少なく粉状になった絵具層に接着剤のplexisolが染み込んで絵具層を強化してくれるのではないかという狙いもありました。ところがplexisolが乾くと和紙が絵具層から浮いてしまいました。通常使う和紙よりも分厚くて堅いものを使ったことが原因かもしれません。結局、膠を使って表打ちを行いました。その後、木枠から作品を外しクラフト紙で仮の木枠に固定し、裏面のクリーニングを行いました。裏面の汚れが著しかったためアンモニアをジェル状にしたものを用いました。次に絵具層の接着を強化するために合成樹脂の接着剤(beva371)を裏面から染み込ませました。
DSCN6890.JPG

■日曜日Aチーム「春照のニコライ堂」
まずは絵の保存状態をチェックして、溶剤テストを行いました。
その結果を見て修復方法を決定。
絵具層に多少のヒビや剥離が見られたので、ウサギ膠を使って剥離止めをしました。膠を入れてから軽く熱を与え、重しを置いて放置することで絵具層が固着します。
剥離止めが終わると水でのクリーニングに入ります。湿らせたコットンで擦るとかなり汚れが取れました。その後続けて0.5%のアンモニア水でもクリーニングを行いました。
DSCN7014.JPG

■日曜日Bチーム「横向きの裸婦」
画面全体にカビが繁殖していたので、画面全体を水で湿らせたコットンでクリーニングした後、5%のエタノール水でも同じ方法でクリーニングしました。
終わったら木枠からキャンバスを外して、端に溜まったほこりを掃除機で吸い取りました。
折れ曲がったみみを伸ばした後大きな板にホッチキスでキャンバスを張り付けます。
そして表打ち。絵の表側にウサギ膠で和紙を張り付けることで、作業中に絵具が剥離したり傷つく事を防止しました。
表打ちが終わると、キャンバスを平らにしてから裏面の汚れを取ります。裏面が綺麗になったらウサギ膠をキャンバスに浸透させてアイロンがけをし、絵具層とキャンバス全体をしっかり固着しました。
DSCN6972.JPG

■日曜日Cチーム「裸婦」
かなり剥離が激しかったのでニコライ堂と同様にウサギ膠で剥離止めをしました。またボンドの様なものが剥離部分にかかっていた為キシレンという溶剤で除去しました。絵具層がかなりもろく、接着剤を除去する際に一緒に取れてしまうことが度々ありました。
接着剤を除去した後は、水とコットンで画面をクリーニングしました。こちらの絵も見た目よりかなり汚れていました。
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それぞれの作品に難しい作業や根気のいる作業があると思いますが、がんばって続けていきましょう。
posted by スタッフA at 14:56| Comment(0) | 日記 | 更新情報をチェックする
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